宇治川
鵜飼
〒611-0021 京都府宇治市宇治塔川
ガタン!ゴトン!電車に揺られる事1時間半、太陽が真上からジリジリと辺り一面を覆い尽くすお昼過ぎの現場で打ち合わせ。
設計図書に汗が落ちるのを気にしながら「この猛暑酷暑をどう乗り越えるか」を考えておりました。(余計な事を考えず仕事しろっ!っと自分に言い聞かせながら)
帰り阪急神戸線「塚口駅」を、もう一滴も吸わなくなったハンカチを握りしめダイエーで買い物しながら涼しもうと思っていると、ふと一枚の広告が目に飛び込んできました。
さらさらと浅瀬の川の流れる涼しげな一枚の広告。無風の渡り廊下の壁面広告。汗を手でぬぐいながら「ここいこ!」一瞬で決めました。
着いたぁ。すでにご存じの方も多いと思いますが、私は初めて訪れた場所にワクワクでした。比較的川幅も広く、穏やかで、優雅で、川の流れる音が心地よく、「来て良かった!」と一瞬で思いました。
屋形船に乗船し、これから始まるイベントに胸躍るとはこの事かと、その時を待ちながら同乗者のほうへ眼をやると、外国の方が半分以上(アメリカ・カナダ・ロシア・中国・韓国・台湾・タイの方だろうと思うのですが・・・会話したわけではないので想像です)
「出発しま~す」ゆっくりと船が動き出し、「錨を下せ」で止まりました。その間5分くらい。
あっという間に日も暮れ始め、辺りはぼんやりと薄暗くなり始めていました。紫色の空。これも幻想的で綺麗でした。
薪に火が点火され、バチバチと燃え始めるといよいよ宇治川の”鵜飼”の始まりです。鵜匠と鵜の絶妙な技は格別で、川面に吹くさわやかな風が、まるでいにしえ人になったように錯覚させてくれます。
鵜はとても人懐っこく、愛らしい仕草で歓迎してくれます。頭上で燃える撒きには少し可愛そうな気もします。一生懸命潜っては吐き潜っては吐きを繰り返します。
鵜匠は一度に数羽の管理をしておりますが、一体どの鵜が魚を呑み込んでいるのか、その判断が難しいような気がします。
「~瀬を早み 岩にせかるる 滝川の われても末に 逢はむとぞ思ふ~ 」
今は開業後間もないことから、なかなか次回の都合が取れないけれど、必ずまた会いに訪れまする。