不動産購入で失敗。だから敷地境界標は信用するな
今回は「よーし!家を建てるための土地を探すぞー、と考えている方」に絶対確認してほしい「境界標」について紹介したいと思います。個人的な見解ですので参考にしていただけたらと思います。
理由
現地にある境界標は信用しない。なぜなら一目では資格ある者による設置がなされたものかわからないから。
「はぁ?じゃあ誰が境界標を取り付けたの?」ってなると思います。私もなりました。
ですがこれは何度も実際に経験した体験談です。結構大変でした。「誰を信用したらいいの?」「何をを信じたらいいの?」ってなりましたから。
二重になった境界標
購入を検討している土地を再度見に行きました。現地には境界を示す「境界プレート(金属標)」が四隅すべてにピカピカ光ってありました。
その境界プレート間を巻き尺で測ると「ん?登記簿謄本の面積と多少違うなぁ」となって「地積測量図と照らし合わせても長さが合わないなぁ」となったんです。
そのことがきっかけでその土地を売却される売主様に直接確認する事にしました。
ああ、確かにそのピカピカの境界プレートで間違いないでぇ |
とおっしゃれました。ですが法務局に備え付けの資料と照らし合わせると数値が合わないのでお互い頭を抱え込むことになりました。
どうしても納得がいかなかったので土地家屋調査士に相談。現地に一緒に出向くと既存の境界プレートを見るなり
土地家屋調査士:一回この辺りを掘ってみた方が良いかもしれませんね |
というのです。
掘るとなると既存の境界プレートは剥がれ落ちてしまします。「関係者全員の許可をもらった上で掘りましょう。
復元できるように今のプレートの位置を測量しておきますね」ということで、その後許可を頂いて早速掘ってみたら。
20㎝ほど掘ってみると既存の境界プレートがあったところより若干ズレた場所に「コンクリート杭」が出てきたんです。
「え~っ!?」ってなりますよね。宝探ししてるわけじゃないので嬉しくもなく、「なんで、なんで?」です。
建物の築年数に比べて、最初にあった「境界プレート」がやけにピカピカしていて新しく感じたというのです。
目の前で、事の一部始終を見ていた売主様に、「この境界標は何時頃設置されたのですか?」と尋ねてみると・・・。
先週やでぇ、不動産会社の担当の方が見えられて、お隣さんと立ち合いの上で境界確認した際にそのプレート貼ってもらってん。売却する際に境界の明示は必要やといわれたんでな。 |
さあここで問題発生ですね。「一度決まった境界を再度変更できるのか」・「そもそもどちらが正しいのか」です。
今回のケースでは測量士が新たに出てきたコンクリート杭を支点に再度測量すると「地積測量図」とピッタリくることから理解を頂き隣地間のトラブルもなく事なきを得ました。
境界プレートって弱い
境界プレート(金属標)の一般的なタイプは幅5㎝厚み4㎜の正方形で材質は「アルミ」や「ステンレス」や「真鍮」などが使用されいます。
穴あきタイプはアンカーボルト(約2.5㎝)にてコンクリート下地でも硬固に固定できるとされています。
ですが、裏に専用のボンドで貼り付けるタイプの簡易なものもあり硬固な取付とは程遠いのが現状です。
気付かず工事用車両が通行すると簡単にズレたり剥がれたりしてしまいます。一度ズレたら戻せません!
土地を購入する際は、たとえ境界標が一か所剥がれたり、破損しても復元できるように測量図(可能であれば確定測量図)「隣地所有者の立会を得て資格ある者によって作成する図面」を作成してもらえる条件で購入すことをおすすめいたします。
刑法262条の2には「境界標を損壊し、移動し、若しくは除去し、又はその他の方法により、土地の境界を認識することができないようにした者は、五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する」とあります。 取り扱いには十分注意したいものですが、こんな刑法があることを学校じゃ教えてませんし、故意過失でない場合も多くそのまま放置されていることがよくあります。 |
また、「コンクリート杭」等でも土砂災害や地震等で破損したり移動してしまうこともあります。
そういった場合隣地間でのトラブルが起こらないとも限りません。それだけ「隣地との境界」というのは重要なことだといえます。
「筆界特定制度」という制度があります。この制度は土地所有者等の申請により、法務局の筆界特定登記官が筆界を特定する制度です。その結果は登記記録に残ります。
※引用:法務局ホームページ
まとめ
|
境界をめぐるトラブルは後を絶ちません。
建物が土地の使用状況によっては「初めはあった境界標」も気付かないうちに亡くなっているケースや、地中に埋まってしまうケースが多いと思います。
木杭だったら腐って跡形もありませんね。
Comentários