二級建築士試験を受験して
やったー!独学で筆記試験に合格したぞー
って言ってられる暇もなく、2ヵ月後には設計製図の試験が待ち構えている。
こんな通知が届きました。
合格への道のりは長い
本屋で適当な過去問題集を購入して、向き合うこと4ヵ月。一日平均3時間の勉強で、出来の悪い脳みそはパンク寸前でした。
実際、試験前日も不安だらけで、朝から問題集に目をやり続けていました。暑くもないのに体から汗が出てくる始末。この日までに約4Kg痩せましたね。マジです。
自己採点でも何とかギリギリだったことを考えたら、次の「設計製図は経験値がない」と即結論、近所の資格学校に申し込むことにしました。
ところが、「新型コロナウイルス」の影響で大阪市内をあまりウロチョロしたくはない。「大阪市内よりは密を避けられるかな?」と言うことで西宮市で申し込み。
ここからが超半端のないスケジュール!(毎週日曜日AM10:00~PM8:00 宿題山盛り)しかも受講料金が高い!それでも夢のためと割り切って頑張ることに。
現役の学生さんに交じってひたすら線を描く。「描く描く描く」。「しかも時間を測って一斉に競争」。「出来た人から手を挙げて報告!」みたいな感じ。あーすっごくヤダって思いました。
だって、ビリなんだもの。周りの人たちがロボット?マシーン?神?って思えてなりませんでしたね。だって、両手で描いてるの?って思うぐらい速い!ビビりました。スゲーって。
それでも必死でしがみついて、一日も休まず全工程を経て終了しました。しかし、全く自信がない。学科試験でもなかった自身が、設計製図ではもっとない状況でした。
エスキス
経験者なら解っていただけないでしょうか、あの「エスキス」です。問題文に記載されているメチャクチャ多い要望から、間取りのボリュームを導き出す最初の作業。「こんなん、ひらめかへんかったらOUTやん」ってやつですよ。
実際に社内でも自宅でも、いーっぱい図面描きました。もっと描いている人もいるとは思いますが・・・。で、図面は最低限描ける程度にはなっていると思っていましたが、エスキスが・・・。
普段、仕事が仕事ですから建築士の方と打ち合わせることが多いし、図面自体は今まで幾つ見たかわからないほど見てますよ。明らかに見てます。ですが「視る」ではなかったんですね。
偉そうに「こんな間取りじゃお客さんが納得しないよ、やり直してよ」とか平気で言ってたんですね。でもまあこれはこれである意味仕方ない事ですが、今後は相互理解の上で、発言内容を吟味した方が良いと感じました。
試験当日
少し早く試験会場に到着。心配性なので早めに家を出ただけですね。すると受験者たちがすでに大勢いるわけですよ。しかも「目の前にいる方々は、全員学科試験の合格者たちだ」って思うわけですよ。
にわか受験者ではなく、何かしらの経験者たちですね。そもそも受験資格がないと試験すら受けられない資格試験ですから。
この設計製図は、「何点以上が合格」ではなく「上位何人が合格」となるためいわばライバルたちです。「あ~やばいなぁ、みんなすごい強者なんだろうなぁ~」って気になります。
指定された場所に着席して、試験前の注意などが一通り説明され、携帯電話の電源OFF!いよいよです。
開始前に、ふと前の席に目をやると、40代の男性が着席しています。持ち物の定規や電卓、刷毛にシャーペン(0.3&0.4&0.7の芯)がやけに年季が入ってて「あ~普段から使ってるんだぁ、よゆうのよっちゃんで試験うけてるんやぁ」って思ってました。
「始めてください」と試験官の声。ここから悪魔的な時間(5時間ぶっ続け)が始まったのです。
「あれ?結構簡単?エスキスできた!マジ?ケアレスしてない?ん~してない・・・と思うが、ホンマかいな?」開始早々1時間ちょっとでエスキスが出来た(つもりだったんですね、これが)勢いよく練習で積み重ねてきた線を描き続け・・・・・。
あれ?「一階の玄関上の切妻屋根と直上の2階のベランダがぶつかってるやんかっ!こんなんあかん」って思った時は既に遅し!です。
合格が遠退き、区切られた瞬間でした。必死で消しゴムごしごし、平面図が間違っていると言うことは、立面図もおかしい、となると伏せ図もおかしいことになる。
半泣きで消しゴムごしごし。わかる人だけでいいです。この時の心境。やるせない気持ち。悲しい気持ち。「俺は今までいったい何をやって来たのだろう」と言う気持ち。
時間的余裕が一切なくなった時、深呼吸しなくちゃって前の席の40代の男性の図面がチラッと目に入ったんですね。
(設計製図の試験では同じ図面描いてる人はいないのでカンニングしても意味ないし、そんなつもりで見たわけではないですが)
すると、「私よりぜんぜん進んでない?ならまだ間に合うかも!」って。浅はかだったんですね。
焦る焦る、でも描く描く。「はい、そこまでです。ペンを置いてください」と試験官の声。
俯瞰して改めて自分の図面を見渡しました。
「きっ、汚い」なんだこの今までに描いたこともないような汚すぎる図面は。文字も・・・読めないくらい汚い。あ~終わった。それでも図面の完成だけはさせました。
そして、ふと目の前の男性の図面をみると完成すらしてない。なぜ?わからない。使い慣れた道具。落ち着いた風格。いかにもできますって感じが納得できないまま帰宅の途に。
結果
「チーン」でした。しかもよくみると合格の時は丸印を押してくれていたのに、それすらない悲しいお知らせでした。しかも、「図面のどの部分がダメだったのか」がわからないんですよね。
復習とか、同じ間違いをしないためのチェックとかをしたいのですが、それすらできないのがこの資格試験です。
まとめ
楽しい!そして出来なかった事が出来たら正直嬉しい!は本質の部分。
今回は本当に残念で仕方がありませんが、力量が足りなかったと素直に受け止めて、再度挑戦する覚悟が決まりました。合格してもしなくても、挑戦するときの雰囲気は好きです!
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